腰痛について

 

84%の人が人生で一度は腰痛を経験すると言われています。

人形町いとう治療院に訪れる方の中で、最も訴えの多い悩みが腰痛です。

私自身に腰痛経験があることもあり、腰痛治療は特に重視して行っています。

 

どうして腰痛になるの?

腰痛には筋肉の問題・仙腸関節や椎間関節など関節の問題・神経の問題・椎間板の問題・加齢の問題など様々な要因が研究されてきました。

よりシンプルに、腰痛を①動かしすぎ(使いすぎ)②動かさなすぎ(運動不足)③その他3つのタイプに分けて考えてみます。

①動かしすぎ(使いすぎ)

肉体作業や運動などで、腰周りの筋肉を繰り返し使うことで起こる腰痛です。

原因と結果がはっきりしているので、イメージがしやすいタイプです。

②動かさなすぎ(運動不足)

最近では最も多いのがこのタイプで、長時間同じ姿勢を続けることで起こる腰痛です。

長時間のデスクワーク・自動車の運転など同じ姿勢を続けることで、ある一部分に過剰な負担がかかることで痛みが起こります。

例えば腰が丸まった不良姿勢で長時間座り続けると、圧力によって背骨と背骨の間にある椎間板は背中側に動きます。

同時に背中側にある筋肉や靭帯などの組織は伸ばされてストレスがかかった状態になります。

組織に長時間のストレスがかかることで、その部分から痛みを起こすのです。

また同じ姿勢を続けることで、伸びた状態の筋肉と縮んだ状態の筋肉が発生します。

疲労が蓄積したときなどでは縮んだ筋肉が元の長さに戻りにくかったり、伸びた筋肉がさらに疲労を起こすこともあります。

③その他

事故や転倒などの衝撃で、筋断裂や骨折などで腰周りの組織が直接傷つくこともあります。

また加齢により軟骨が変形し神経の通り道が狭くなることで起きる腰痛(脊柱管狭窄症)や、骨がもろくなって背骨自体がつぶれてしまうことで起きる腰痛(圧迫骨折)等もあります。

そして最近になって、腰痛が形態や機能の問題だけでなく、精神医学的な要因や心理・社会的な要因が複雑に絡まり、痛みを悪化させ長引かせていることも明らかになっています。

当院では腰痛の患者さんを大きく3タイプに分類したうえで、さらに詳しく問題のある個所を探していきます。

 

自分自身の腰痛経験を通して

開業する以前の勤務時代、年齢が30歳になったばかりのころに大きな腰痛を経験しています。

通勤電車から立ち上がることができず、そのまま終点まで降りられず駅員室に運ばれました。

その後に病院でMRI検査をしてもらい「腰椎4・5番の椎間板ヘルニア」と診断されました。

すでに鍼灸師として働いていましたが、このままでは患者さんたちに腰痛のリハビリ指導なんてする資格がないと思い、治療やリハビリを通して自分自身の腰痛に向き合うことができました。

何かをすれば2度と痛みが出なくなるということはありません。2度と痛みが出なくなるようにコントロールしていくことが腰痛に一番大事なことだと思います。