数種類の鍼  当院で使用するお灸です

当院で使用する鍼は、全て使い捨て(ディスポーザブル)です

鍼灸とは

鍼灸(しんきゅう)は、細い鍼(はり)や温熱刺激(お灸)を使って、体の自然なバランスを整える治療法です。
経絡(けいらく)と呼ばれるエネルギーの通り道や、ツボ(経穴)と呼ばれる身体の反応点を利用して、痛みや不調に働きかけます。

一番多い悩みとしては、肩こりや腰痛などの筋肉のこわばりを和らげる目的で知られていますが、近年では自律神経の不調、内臓機能の乱れ、ストレス、ホルモンバランスの乱れなど、幅広い症状への効果が注目されています。

当院の鍼灸について

当院では、東洋医学と西洋医学の両方の視点を大切にしながら、「人が本来持っている“自ら治ろうとする力”」を引き出す施術を行っています。

症状をただ抑えるのではなく、その方の体質や生活環境・心の状態まで含めて全体を丁寧に観察し、原因の根本を探っていきます。

東洋医学の知恵 × 現代医学の知見

四診(望・聞・問・切)という身体全体の状態を把握する東洋医学的診察に加え、西洋医学的な考え(解剖学・生理学・自律神経・ホルモンなど)も取り入れています。
どちらか一方に偏るのではなく、それぞれの長所を活かすことで、より的確なアプローチが可能になります。

治すのではなく、「治ろうとする力」を育てる

人の身体には、本来備わっている自然治癒力があります。
当院では、ただ外側から「治す」のではなく、その人自身の回復力を高めることを目指しています。

そのために、鍼や灸で体の流れを整えるだけでなく、日々の生活習慣や心の持ち方へのアドバイスも重視しています。

一人ひとりに合わせた、オーダーメイドの施術

これまで20年以上にわたり、臨床の現場で数多くの患者さまと向き合ってきた経験を活かし、年齢・性別・体質・職業・ライフスタイルなど、あらゆる要素をふまえて施術を組み立てています。

たとえば同じ「肩こり」であっても、原因が「自律神経」「眼精疲労」「内臓疲労」「噛みしめ」「心の緊張」など人それぞれ異なるため、画一的な施術は行いません。
カウンセリングと触診を大切にし、毎回の変化に合わせた調整を行います。

安心して受けられる鍼灸を

初めての方は、不安や疑問をお持ちだと思います。
当院では、症状の背景や施術の目的をできる限り丁寧にご説明し、納得いただいた上で治療に入るよう心がけています。

小さな体調の変化も安心してご相談いただけるような、温かく信頼できる場所でありたいと考えています。


鍼灸の歴史と、世界・日本での受け入れ

◉ 鍼灸の起源と発展

鍼灸の歴史は非常に古く、中国ではおよそ2000年以上前から行われていたとされます。日本には6〜7世紀頃に仏教伝来とともに伝わり、江戸時代には庶民の間にも広く普及しました。
現在では、伝統医学の一部として、東アジア諸国はもちろん、欧米にも広がっています。

◉ 世界での評価

1990年代以降、WHO(世界保健機関)は鍼灸の有効性を認める疾患リストを公表し、世界的な信頼が高まっています。
現在ではアメリカやヨーロッパでも、鍼灸は「補完医療(CAM)」として病院や大学での研究対象にもなっており、多くの国で医師や鍼灸師が連携して活用しています。

◉ 日本での位置づけ

日本では、鍼灸師は国家資格を持つ医療専門職として、整形外科や婦人科クリニックをはじめ、多くの医療科のチームと連携するケースも増えています。
一方で当院のように、地域に密着して個人で開業する治療院も多く存在しています。
いわゆる病気や痛みといった「疾患」だけではなく、美容や健康の維持増進、養生といった保険医療を行う病院ではカバーしきれない様々な悩みに対してもきめ細かく対応しています。

美容鍼について

鍼灸師になるには? 〜国家資格の裏付け〜

鍼灸師になるには、誰でも施術できるわけではありません。
日本では「はり師」「きゅう師」という2つの国家資格を取得する必要があり、そのために以下のステップを経る必要があります:

  • 文部科学省・厚生労働省が認可した専門学校または大学で3年以上、解剖学・生理学・病理学・東洋医学概論・臨床実技などを履修

  • 国家試験に合格

  • 厚生労働大臣認可の免許を取得

さらに、医療人としての倫理観やコミュニケーション能力も重要です。
このように、豊富な知識と技術を身につけた専門家が施術にあたっていることは、安心して治療を受けていただける大きな根拠のひとつです。

鍼灸の効果は、科学的にどこまで解明されているの?

「なんとなく効く」「東洋医学だから科学とは違う」と思われがちな鍼灸ですが、実は現代医学の視点からの研究も年々進んでいます。

◉ 科学的に確認されている主な作用

  • 痛みの緩和:鍼刺激によって脳内のエンドルフィン(内因性の鎮痛物質)が分泌され、痛みが和らぐ

  • 自律神経の調整:交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、睡眠障害・胃腸の不調・不安などへの効果が報告されている

  • 血流改善:筋肉の緊張を緩め、血流を促進することにより冷えやこりに効果

  • 内臓機能への影響:消化器・婦人科系の機能改善を示すデータも

また、慢性疼痛、不妊症、PMS、緊張型頭痛、過敏性腸症候群(IBS)などに対して、国内外の臨床試験で有意な改善が報告されているケースもあります。

ここまでわかった鍼灸医学

◉ 研究は進行中

鍼灸は生体への作用が複雑であり、「なぜ効くのか」をすべて説明しきれているわけではありません。
ですが、臨床的に“効いている”ことは数多く報告されており、医学界でも注目の分野となっています。

 

▶ 鍼灸に興味を持たれた方へ

ここまでお読みいただきありがとうございます。
少しでも「鍼灸のことがよく分かった」「思っていたより信頼できそう」と思っていただけたら嬉しいです。

もし「自分の不調にも効くのか?」「どう通えばいいのか?」など、疑問や不安があれば、お気軽にご相談ください。

 

 

※素肌に施術を行いますので、原則として専用着(無料)に着替えていただきます

院内が寒くならないように努めてますが、肌寒さを感じる場合は遠慮なく伝えてください

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