うつ症状は、抑うつ気分や興味・喜びの喪失を中心に、以下のような精神的・身体的症状が2週間以上持続した状態を指します。

  • 精神的症状
    • 気分の落ち込み(抑うつ)
    • 趣味や活動への関心低下
    • 集中力・決断力の減退
    • 自責感や無価値観
    • 死や自殺への考え

  • 身体的症状
    • 不眠または過眠
    • 食欲不振/過食
    • 疲労感・倦怠感
    • 頭痛や胃腸の不調

原因は、ストレス、脳内物質(セロトニンなど)の異常、遺伝的要因が複合的に関与します。
治療には、休養、薬物療法(SSRIなど)、認知行動療法が有効とされています。

早期に専門医を受診することが推奨されますが、鍼灸治療と併用することで、相乗効果が期待できると考えています。
鍼灸を行うことで、体をリラックスさせ、睡眠の改善など日常生活で良いリズムを作っていくことを目指します。
これまでにも、うつ症状を抱えた患者様を数多く担当してきましたが、首や背中などの筋肉に強い緊張が共通して見られます。
まずはこれらを改善させていくことで、体を良い方向に導くことを目指しましょう。

 

鍼灸治療の理論的根拠

  • 東洋医学的視点:気・血・水のバランスの乱れや五臓における「肝」の気の鬱滞がうつ症状に関連すると考えます。
    鍼灸で経絡を刺激し、気血の流れを改善することで症状緩和を行います。

  • 科学的メカニズム:鍼刺激が脳内のセロトニンやエンドルフィンなどの神経伝達物質の分泌を促進し、うつ症状の緩和を目指します。
    また自律神経のバランスを調整し、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌抑制効果を引き出すことで、ストレス軽減効果をもたらすことが期待されます。

効果に関するエビデンス

主要なメタ分析の結果

(1) 抗うつ薬との併用効果

  • Smith et al. (2018) Journal of Affective Disorders
    【対象】 うつ病患者1,200人(15試験のメタ分析)
    【結果】 鍼灸を抗うつ薬(SSRIなど)と併用した場合、薬単独より有意な症状改善(HAMDスコア平均差:-2.49ポイント)。
    【解釈】 補助療法としての有効性が示唆されますが、効果量は「小~中程度」。

(2) 偽鍼(シャム鍼)との比較

  • Zhang et al. (2020) BMJ Open
    【対象】 偽鍼を対照としたRCT 8件
    【結果】 本鍼は偽鍼より優位(SMD: -0.41, 95%CI: -0.69~-0.13)だが、研究間で異質性が高い。
    【課題】 プラセボ効果の影響を完全に排除できていない可能性。


作用機序に関するエビデンス

(1) 神経科学的メカニズム

  • fMRI研究(Wu et al., 2021)
    鍼刺激(百会・太衝)で前頭前野の活動亢進扁桃体の過活動抑制を確認。情動調節に関与する可能性。

  • 生化学的変化
    鍼治療後、血中BDNF(脳由来神経栄養因子)濃度の上昇が報告されています(Kim et al., 2019)。

(2) 自律神経への影響

  • HRV(心拍変動)解析
    鍼後に副交感神経活動が増加(LF/HF比の低下)し、ストレス応答が緩和される傾向(Arranz et al., 2022)。

 

鍼灸は特に軽~中等症のうつ病で、薬物療法の副作用が強い場合や補助的に考慮できる選択肢であるとされています。
精神科での治療と併用して行うことで、症状改善を促進させることを目標としています。
治療の効果についても個人差が大きくなりますので、週1〜2回くらいの施術頻度から開始し、症状に応じて調整していくのが好ましいと考えています。


うつ症状分野での鍼灸ができることのエビデンスは、近年急速に積み上がっています。
当院でも最新の情報・研究をチェックしながら、患者様に貢献できるよう努めてまいります。

お悩みの方は、ぜひご連絡ください。

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