当院に訪れる方で最も多い訴えである首・肩こり。
ほとんどの方が一度は経験したことのある、代表的な身体の不調です。
生涯有病率では女性で第1位、男性で腰痛に次いで第2位。
長時間のデスクワークやスマホの普及により、首・肩こりを訴える人はますます増加しています。
肩こりの原因
①姿勢によるもの
(2013年。前の職場時代の私です)
この姿勢に見覚えのある人は多いのではないでしょうか。
「頭部前方姿勢」とか「上位交差症候群」などと呼ばれる姿勢で、
パソコンやスマホを使う時に陥りがちな不良姿勢です。
頭は4~5kgの重みがあり、上記の姿勢が長く続くほど様々な問題が生じます。
●頭が前に出ることによりストレートネックになる
●頭の重みを支えるために、首の筋肉が過緊張を起こす
●背中は丸く「猫背」の姿勢になり、背中の筋肉が過緊張を起こす
●肩が前方に入るため、胸の筋肉が過緊張を起こす
その他にも日常のクセが不良姿勢の原因の事もあります。
●職場でのパソコンの位置は高すぎ?低すぎ?
●座る時に足を組む癖があるか?
●立つ時に片方の脚に体重をかけているか?
●肩掛けカバンをどちらの方に下げるか?
●骨折や捻挫などのケガを過去にしているか?
●寝る姿勢はどちらを下にするか?
●あぐらが多い?割り座(ぺちゃんこ座り)が多い?
列挙していくときりがありませんが、こうした不良姿勢をもたらす要因を完全に取り除くことは不可能です。
大切なのは自分にどのような癖があるか認識し、日常生活でたびたび修正する習慣を付けることです。
②運動不足
日常的に運動をしている方は、首・肩こりが比較的少ない傾向にあります。
首・肩こりに苦しんでいた方でも、運動の習慣を持つことで改善したケースも多くあります。
運動をすることの効果は
●循環改善
全身に血液がめぐることで、身体の隅々まで酸素や栄養が届くようになる。
●可動域の改善
普段よりも関節を大きく動かすことで、可動域が広がり身体に余裕が生まれる。
●姿勢保持筋の筋力アップ
腹筋・背筋など、姿勢を保持するための筋肉を鍛えることで、良い姿勢を保ちやすくなる。
運動不足になると、これらと逆の事が起きます。
③その他の要因
内科的な要因や精神的なストレスも肩こりの原因となります。
よく見かけるのは
●高血圧の方
血管が収縮することで、筋肉への血液供給が不足する。
●心臓疾患の方
特に心臓が位置する左の肩・背中に強いコリを訴えることが多い。
●強いストレス(精神疾患なども含む)がある方
人前で話した後などに、首・肩に力が入っている経験がある人は多いと思います。
精神的に緊張することで肩の筋肉が収縮することが知られています。
首・肩こりと鍼灸・治療
短く縮んでしまった筋肉をゆるめて伸ばす方向に導きます。
鍼灸だけでなく、ストレッチなど整体のアプローチも混ぜて治療を組み立てます。
同時に日常生活での注意すること、自宅での運動アドバイスもお伝えします。
長年積み重ねてきた生活習慣が原因なので、定期的にケアを施してメンテナンスしていくことが大事です。