「鍼灸院なのにお灸をしないの?」と思ったことはありませんか?
鍼灸といえば、「鍼」と「お灸」がセットになっているイメージを持たれている方も多いと思います。
ところが実際には、お灸をほとんど使わない鍼灸院や、鍼だけで治療を行っているところも少なくありません。
「鍼灸院」と名乗っていても、なぜお灸を使わないことがあるのか。
今日はその理由と、当院がお灸をどのように活用しているかについて、お話ししてみたいと思います。
鍼灸師の国家資格と、実際の施術スタイルの違い
鍼灸師は国家資格で、正式には「はり師」「きゅう師」という2つの資格を取得する必要があります。
そのうえで「鍼灸師」として仕事をするわけですが、実際の施術現場では、両方を日常的に使うとは限りません。
院によっては鍼のみを中心に行っていたり、逆にお灸を多用していたりと、治療スタイルはさまざまです。
これは間違いというわけではなく、それぞれの治療方針や環境によって変わってくるのです。
なぜお灸をやらない鍼灸院があるのか?
お灸を使わない理由には、いくつかの背景があります。
● においや煙の問題
伝統的なもぐさを使うと、どうしても煙や独特の香りが出ます。
この香りが好きな方も多いのですが、ビル内のテナントやシェアサロンでは、防災設備や空調の都合から使用が制限されることもあります。
● 学校での実技が少ない
養成校では、お灸の理論は学びますが、実技の時間は限られていることも多いです。
そのため、卒業後も自信を持って使いこなすには、個人での練習や臨床経験が必要です。
● 時間効率の問題
お灸はじんわりとした温熱刺激を与える施術のため、鍼よりもやや時間がかかります。
効率を重視した施術スタイルでは、お灸を省略することもあるようです。
● 「熱い」「怖い」というイメージ
「お灸=やけどしそう」「熱すぎるのでは?」といったイメージから、患者さんに敬遠されるのを避けるために、お灸を使わないケースもあります。
お灸には、お灸ならではの良さがある
お灸は鍼と同じく経穴(ツボ)を刺激しますが、熱による作用で身体に別の反応を引き出します。
とくに私が臨床で実感しているのは、自律神経のバランスを整える力です。
たとえば…
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ストレスや胃の不調に対しては「胃の六ツ灸」
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冷えや月経トラブルなどには、下腹部への温灸
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背中全体にお灸を使うことで、鍼灸治療全体の流れが整う
…など、目的に応じて使い分けて積極的に使用しています。
お灸があることで、治療の完成度が一段階上がると感じる場面は少なくありません。
初めてのお灸、意外に「気持ちいい」という声も
「鍼は受けたことがあるけど、お灸は初めて」という方も多くいらっしゃいます。
そうした方々からよく聞くのが、
「お灸って熱いだけかと思ってたけど、心地よくてびっくりしました」
という感想です。
また、もぐさのやさしい香りが「懐かしい」「安心する」と好評なことも。
お灸の温かさと香りが相まって、深くリラックスできたという声もいただいています。
お灸を通じて、じっくりと体と向き合う時間を
スピードが求められる現代だからこそ、**お灸の時間は“ゆるむ時間”**でもあります。
身体があたたまり、気持ちが落ち着いてくると、自然と呼吸も深くなります。
当院では、こうしたお灸の力を大切にしながら、必要に応じて鍼と組み合わせて施術を行っています。
ただ古いから使っているのではなく、「いまの時代にも必要な手技」だと実感しているからこそ、取り入れています。
まとめ:鍼灸院選びの参考に
お灸を使うかどうかは、鍼灸院ごとのスタイルによってさまざまです。
「鍼だけで十分」というケースもあれば、「お灸が加わることで変化が出る」ケースもあります。
当院では、お灸の持つやさしい力を活かしながら、ひとりひとりの体調や目的に合わせて施術を行っています。
「お灸は初めてだけど興味がある」
「リラックスしながら体調を整えたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
お灸のイメージがきっと変わると思います。
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