風邪をひきやすい季節に ― 免疫の「バランス」を整える鍼灸の考え方

寒さが増し、空気の乾燥が進むこの時期、風邪やインフルエンザが流行しています。
当院でも「風邪を引いてしまった」「なんとなく体調がすぐれない」という声を聞くことが多くなりました。
こうした季節の変化に影響を受けやすいのは、身体の防御反応=いわゆる「免疫機能」がうまく働いていないサインとも言えます。


東洋医学における「正気」と「邪気」

東洋医学では、外から侵入するウイルスや冷気などを「邪気(じゃき)」と呼び、
これに対抗する身体側の力を「正気(せいき)」といいます。
風邪(かぜ)はその名のとおり「風の邪(ふうじゃ)」が体内に入り込むことで起こると考えられ、
このとき、正気がしっかりしていれば邪気をはねのけることができますが、
疲労や冷え、睡眠不足などで正気が弱まると、邪気が侵入しやすくなります。

つまり、病気を防ぐために必要なのは“免疫を高めること”ではなく、“免疫の働きを整えること”
過剰でも不足でもない「ちょうど良い反応」ができる身体が理想です。


鍼灸で整える免疫バランス

鍼灸では、自律神経や血流のバランスを整えることで、
体温調節・睡眠・消化といった生命維持の基本機能を安定させます。
これにより、身体の恒常性(ホメオスタシス)が保たれ、
結果的に免疫反応も過不足なく働くよう導かれます。

また、経絡の流れを調整することで、
気血水の巡りが整い、からだの隅々まで「正気」が行き渡るようにします。
たとえば、呼吸器系を司る「肺」の経絡を整えることで、
外界とのバリア機能(皮膚・粘膜の防御)をサポートし、風邪をひきにくい体づくりに繋がります。


日常生活でできる予防の工夫

  • 首元・足首・腰まわりを冷やさない

  • 睡眠時間をしっかり確保する

  • 空気の乾燥を防ぎ、加湿を意識する

  • 暖かい飲み物で内臓を冷やさない

これらの小さな積み重ねも、正気を養い、邪気を防ぐ大切な養生です。


まとめ

「免疫力を高める」という言葉が広く使われていますが、
本来大切なのは、免疫機能を“正しく働かせる”ことです。
そのためには、心身のバランスを保ち、季節の変化に柔軟に対応できる身体づくりが欠かせません。

鍼灸は、こうしたバランスの回復を助ける伝統的な方法のひとつです。
寒さと乾燥が進むこれからの季節、身体の声に耳を傾けながら、整える時間を持ってみてください。

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