コロナ後遺症による嗅覚異常と鍼灸 — 一例から見える可能性

(浜町公園のイチョウが綺麗に色づいています🍂)
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、嗅覚異常(嗅覚低下・異嗅症) を訴える方は少なくありません。
医療機関でも治療に時間を要することが多く、「経過を見るしかない」と説明されるケースも一般的です。
そのような背景の中で、先日当院にも コロナ後遺症による嗅覚の異常 を主訴として来院された方がおられました。ここでは、鍼灸施術がどのようにサポートし得るか、その一例から考えてみたいと思います。
■ 来院された方について(50代・女性)
・耳鼻科に通院中
・コーヒーの香りが「生ごみのような嫌な匂い」に変換されてしまう
・日常生活の質が大きく低下し、早期の回復を目的に来院
・週1回・計4回施術の機会をいただく
後遺症では、匂いが「全く分からない」嗅覚低下だけでなく、
本来とは異なる匂いに感じてしまう異嗅症(パロスミア) が強いストレスとなることがあります。
■ 鍼灸施術後の経過(あくまでも一例です)
初回施術後、患者さんは
「匂いが一時的に強く感じられ、悪化したように思えた」
とお話されました。
嗅覚に関わる神経が刺激を受ける過程で、一時的に感覚の振れ幅が出ることは珍しくありません。
しかし、施術を重ねるにつれて
・匂いが少しずつ自然な方向に戻っていく感覚
・何よりも「日によって良い変化を感じられる」安心感
を口にされるようになり、回復過程に寄り添う支援として鍼灸が役立つ可能性 をあらためて感じました。
最終の施術後は、それまで感じ取る事ができなかったお灸の匂いを認知することが出来ました。
■ 鼻周囲のツボ刺激がもたらした副次的な変化
嗅覚に関係するツボ(迎香・上星・印堂など)や、頭部・首肩の緊張を緩める施術を行うと、
・眼精疲労が軽くなった
・肩こり、頭痛が和らいだ
という随伴症状の軽減もお話しいただきました。
コロナ後遺症の方は、嗅覚以外にも自律神経の乱れや筋緊張を伴うことが多く、
頭頸部の血流改善・緊張緩和は全身状態の底上げにもつながる と考えられます。
■ コロナ後遺症の嗅覚異常と鍼灸の可能性
鍼灸で後遺症が直接「治る」と断言することはできません。
しかし、
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嗅覚神経周辺の血流改善
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自律神経の調整
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付随する頭痛・肩こり・疲労感の軽減
-
回復までの不安やストレスのケア
といった“回復を後押しする環境づくり”には大きく貢献できる可能性があります。
現代医学的治療と並行しながら、
「少しでも早く日常生活に戻れるように」
鍼灸が心身のサポート役となれることは、今回の経験からも強く感じられました。
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