甲状腺の異常と自律神経の乱れ|機能低下・亢進どちらにも共通する支え方
甲状腺機能低下症と鍼灸
― 検査値は安定していても続く“疲れ・怠さ”へのサポート ―
最近、日頃から通院されている患者さんの中で、
「疲れが取れない・体が重い」といった症状が続き、病院の血液検査で甲状腺機能低下を指摘されたというケースがありました。
医師の判断としては、現段階では 薬物治療は行わず経過観察。
このような状況では、日々の体調管理の重要性が高まり、
鍼灸が果たせる役割が広がると改めて感じています。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺ホルモンが不足することで、代謝が低下し、次のような症状が見られます:
- 疲れやすい・眠気
- 体が冷える
- 浮腫みやすい
- 動作が遅くなる・集中力低下
- 便秘
原因の多くは 橋本病(自己免疫性甲状腺炎) ですが、
すべての方がすぐに薬物治療の対象になるわけではありません。
経過観察の段階でも鍼灸が役立つ理由
薬を飲まない期間は、症状があってもご本人が「何もできない」状態になりやすいことがあります。
鍼灸では、次のような二次的な不調にアプローチできます:
▼ 鍼灸が期待できるサポート
- 自律神経の調整 → 倦怠感・眠りの質の改善
- 末梢循環の改善 → 冷え・むくみの緩和
- 筋緊張の緩和 → 首肩こり・頭重感の軽減
- 腹部調整 → 便秘傾向のサポート
特に 「検査値は軽度の異常だが、不調だけが続く」 という方に適しています。
すでに薬物治療を受けている方にとっての補完的役割
レボチロキシン(チラーヂン)の内服によりホルモン値は改善しても、
- 疲労感が残る
- 冷えや浮腫みだけ改善しない
- 更年期症状と重なる
といったケースは少なくありません。
鍼灸は治療薬の代替ではありませんが、
QOL(生活の質)の改善に寄与できる可能性があります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の場合も
機能低下とは逆に、ホルモンが過剰になると:
- 動悸・息切れ
- 不安感・睡眠障害
- 発汗過多
- 体重減少
- 筋肉の脱力
といった症状が現れます。
▼ 鍼灸で配慮しながら行うポイント
- 交感神経過緊張の緩和 → 不安・不眠のサポート
- 首肩の緊張緩和 → 頸部違和感・頭痛
- 強い温熱刺激は避け、穏やかな施術
ただし、未治療の動悸・頻脈が強い場合は施術より医療が優先です。
鍼灸を行ううえで大切にしていること
- 最新の TSH・FT4 の確認
- 内服量調整後の体調変化への配慮
- 妊娠・妊活中は医師の管理を尊重
- 急な浮腫・強い寒がり・意識変化 → 医療機関へ相談
鍼灸は「治せる」と語るのではなく、
安全に寄り添いながら支える立場だと考えています。
同じような不調でお悩みの方へ
甲状腺の数値が軽度の異常でも、日常生活に影響する不調が続くことがあります。
内科での管理を最優先としながら、体調を整えるサポートとして鍼灸が力になれる場合があります。
疲れや怠さ、冷えやむくみが続いてお困りの方は、一度ご相談ください。
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